コラム

40歳代からの開業医のあり方

40歳代を迎える多くの開業医の先生方、大変にお疲れ様です。やっと開業にこぎつけ大体5~6年経過したあたりですよね。開業後の諸々の危機もいくつか乗り越えられ、やっと安定期に入ったところですね。しかし、本当に安定期なのでしょうか?先生方の心の中は、不安でいっぱいなのが正直なところではないですか?世の中を見まわしても、あまり「手本となる歯医者の先生が見当たらない」と感じていませんか?

価値観は時代とともに変化してます。約1980年代までは、世の中はまだ大量産業型の時代の名残を残し「数を売る」時代でした。大量生産型の産業は世の中の利便性をあらゆる次元で確保され、そのこと自体は「善」であると思われてました。しかし、時代の変遷とともに「価値観」も変遷していきます。特に今回の2011年の大震災を境に顕著に、多くの人々が「数を売る」ことの違和感に気付き始めました。若い40歳代の先生方が、今の社会に「手本」がないと感じているのは、実はこの「価値観の変遷」を身で感じているからです。

今は「数を売る」時代ではありません。何に価値があるかといえば「幸福感」「心の豊かさ」ではないですか?そこに価値があると、実は患者様のほうが先に気が付いていて、歯科医がそこに気が付いていないところに問題があるのです。多くの“名人”と呼ばれる先生方は、1980年代に若い時代を過ごされ少々バブル的な感覚を身に着けています。だから、人の前で話すと少々古臭い話に聞こえるのです。
さあ、これからはここのところを一緒に、掘り下げていきたいと思います。